Thursday, May 30, 2013

ハシシタvs毎日新聞バトル

少し前は、ハシシタと朝日新聞とのバトルが話題になっていたけれど、今度は慰安婦問題発言をめぐっての毎日新聞とのバトルが始まった。ハシシタは、とてもセンシティブな慰安婦問題に関する不適切な発言によって、政府、米国、メディア、大阪弁護士会、大阪市議会、沖縄からフルボッコにされようとしている。

大阪弁護士会からは懲戒請求が、自民、民主系、共産の3会派と大阪市議会からは問責決議案が共同提案される予定だ。市長職を解任された場合、晴れて参院選に出馬することはできるだろうが、日本維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事によれば、問責決議案の投開票が、参院選との同日選となるそうなので、自ら早期に辞職しない限り、次期参院選への出馬は無理かもしれない。本人は辞職する気は毛頭ないそうだ。

メディアではいまのところ、毎日新聞との対立が注目されている。ハシシタが従軍慰安婦と面会する予定だった際、「政府には慰安婦に対する法的責任がある」との見解を表明すると毎日新聞は報道したが、そんなことは言っていないとか、先日の外国人記者クラブでの記者会見で毎日新聞の記者がハシシタに向かって暴言を吐いたとか吐かなかったとか、そんなくだらないことで揉めているのだ。

橋下vs毎日新聞フルボッコ 感情的私怨で報道していると逆追求される


毎日新聞は、今日の社説でも、大阪編集局長自ら、ハシシタ批判を展開している。

今回の「慰安婦は必要だった」、「沖縄の米兵は日本の風俗を使うべき」発言で、世界中から批判を浴びたハシシタだが、米軍と米国民には謝罪しても、従軍慰安婦には謝罪はなし。あちらを立てれば、こちらが立たずで、国内でも袋たたきにされ、これからどうやって生き延びていくのか、今後のサバイバル作戦が注目される。

参考記事:

橋下氏:「政府に法的責任」 元慰安婦に表明へ


毎日新聞 2013年05月24日 02時50分(最終更新 05月24日 07時14分)


橋下徹大阪市長=竹内紀臣撮影

日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が24日に予定されている元従軍慰安婦の韓国人女性との面会の際、「政府には慰安婦に対する法的責任がある」との見解を表明することがわかった。元慰安婦に対する「配慮」を強調し、元慰安婦についての一連の発言に対する批判をかわす狙いがあるとみられるが、「法的に解決済み」としてきた政府見解とは異なる内容で、今後の日韓関係にも影響を与えそうだ。

橋下氏はメールなどを通じ、複数の党幹部らに対し「賠償責任と道義的責任の間の『法的責任』を考えたい」と伝えた。

橋下氏は23日の記者会見で「(1965年の)日韓基本条約があるので、賠償金は難しい」と国家賠償には応じない考えを表明。そのうえで「責任と賠償金を結びつけたから議論がおかしくなった。賠償金と責任の話は法律的には別に考えることができる」と述べ、政府の責任を明確化する必要性を強調した。関係者によると、橋下氏は元慰安婦に対する国の責任を明記したうえで、支援金の形で給付を行う法案提出も視野に入れているとみられる。

日韓基本条約は付属協定で、請求権問題について「完全かつ最終的に解決された」と明記した。政府はこれを根拠に元慰安婦への補償問題も「法的に解決済み」としてきた。一方で、93年の当時の河野洋平官房長官の談話で、旧日本軍の関与を認めて謝罪。「道義的責任」を果たすとして、95年に財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(2007年に解散)を設立し「償い金」を送るなどの事業を行った。

これに対し、韓国は元慰安婦の賠償請求権は基本条約の対象外と主張。韓国の憲法裁判所は11年8月、請求権について韓国政府が十分な努力をしていないのは違憲との判断を下し、韓国側は日本側に「法的責任」を認めるよう求めている。【木下訓明】



慰安婦発言「誤報」の主張:橋下氏に反論する=大阪本社編集局長 若菜英晴


毎日新聞 2013年05月30日

日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が、従軍慰安婦を巡る発言の報道に対し、「誤報だ」と繰り返し主張している。本紙に関しては、具体的にどの記事を指しているのか定かでないが、「自分の真意を伝えないメディアの報道がおかしい」という趣旨のようだ。

【橋下氏慰安婦発言】記者団との一問一答(要旨)

経過を振り返る。今月13日に問題の発言があり、本紙は同日夕刊最終版(大阪発行)から報道した。大阪発行の14日朝刊では、沖縄の米軍に「風俗業活用を」と話したことも含めて記者団との一問一答を掲載し、ネットでも公開した(毎日jpに一問一答記事を掲載)。橋下氏は14日、自身のツイッターで「かなりフェアに発言要旨を出している。毎日の一問一答がある意味全て」と書き込んだ。しかし、17日の囲み取材で「大誤報をやられた」と語り、メディア批判をさかんに展開し始めた。

橋下氏は「メディアは一文だけ聞いてそこだけ取る」「文脈をきちっと取って報道すべきだ」と言う。では、14日の一問一答全体や文脈から何が伝わったのか。沖縄の地方紙、琉球新報の18日社説はこう書いている。

「『海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール』するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発想そのものがおぞましいのだ」「(戦時中)『慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる』と述べたが、『分かる』はずがない」「沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい」。同感である。

橋下氏は後に「風俗業発言」は撤回したが、文脈から伝わったのは、従軍慰安婦問題の見解や歴史認識以前の、橋下氏の人権感覚、人間観ではないだろうか。国内外に批判が広がったのもこの点にある。「報道で正反対の人物像・政治家像が流布してしまった」と橋下氏は言う。しかし、流布した原因は橋下氏の発言、言葉そのものにある。報道批判は責任転嫁だ。ましてや、「日本人の読解力不足」との指摘はあたらないし、「他国も同じようなことをした」との主張は論点のすりかえと映る。

「バカ」「頭が悪い」……。橋下氏はツイッターで毎日新聞や批判的なメディアに対してこのような言葉を繰り返しぶつける。これにはいちいち反論もしないが、政治家であるならば、冷静で吟味された言葉で語るべきだ。荒っぽい言葉を「本音」ともてはやすことは、人を傷つけるだけでなく、国益も損なうことを今回の問題は示している。

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