Friday, October 5, 2012

米大統領選討論会オバマvsロムニー

3日には、オバマ対ロムニーの米大統領選討論会が行われた。討論会後に集計された世論調査では、ロムニーが優勢だったが、討論の内容を詳しく分析して勝敗を正確に判断するには、4,5日かかるという。

まずは、オバマ氏とロムニー氏のルックスを見たところ、オバマ氏は、4年前に比べてかなり白髪が増え、10才ほど年をとったかのように見えた。それだけ、大統領という仕事が大変な仕事だということだろうが、4年前に自信に満ち満ちた演説を行ったオバマ氏に比べると見劣りがした。4年前には、大きなヴィジョンがあったが、実際に大統領の仕事をこなして、限界があることを知ったという感じだった。

一方のロムニー氏には、自信と余裕が見られた。オバマ氏の経済政策を批判し、オバマ政権になる前の2兆ドル財政赤字が、4年間で倍の4兆ドルになったことを指摘。増税してこの財政赤字を削減するとしたオバマ氏に対して、増税したら、米国内の経済は今以上に停滞してしまうと述べ、増税よりも、職を増やし、収入を増やせば、それによって、人々の納める税金も上がるので、それを財政赤字削減にあてるべきだとした。




大統領選には、ファースト・レディとなる大統領の妻の人気度も影響する。弁護士でキャリア・ウーマンのミシェル・オバマ氏と主婦のアン・ロムニー。対照的なこの2人を比較した動画も面白い。




コラム:米大統領選討論会の得点表、ロムニー氏やや優勢ロイター 2012年 10月 5日 14:00 JST

By Daniel Indiviglio
[ワシントン 4日 ロイター BREAKINGVIEWS] 3日に行われた初の米大統領選討論会は、選挙をめぐる数占いの様相を示した。90分間に及ぶ対決では、両候補の口から大きな数字が5種類、繰り返し飛び出した。有権者が両候補に付ける点数は戦況を左右する可能性がある。総合すると、ロムニー候補の得点がオバマ大統領をわずかに上回ったようだ。
<5兆ドルの減税>
オバマ大統領は手始めに、ロムニー氏の減税案が財政的に無責任だと批判した。大統領は、限界税率を20%減らすロムニー氏の提案は財政赤字を10年間で5兆ドル膨らませるという「税制センター」の推計を指摘。これは単純計算だが、事はそれほど単純ではないと攻撃した。
ロムニー氏は税控除も減らす構えだ。ロムニー氏は中間層を増税から隔絶できない場合には、減税を再考すると述べた。あまりにも都合の良い言い分だ。より重要なのは、増税なしで財政赤字の膨張と闘うことの非現実性だ。
得点:オバマ大統領
<4兆ドルの財政赤字削減>
10年間で4兆ドルの財政赤字削減というのは、政府が財政改革に真剣に取り組む姿勢を示す上で、今や魔法の数字となった。オバマ大統領が設置したシンプソン・ボールズ財政委員会が掲げた数字だ。しかし大統領はこの計画を受け入れていないし、大統領が過去4年間に示した代替的な予算案は一つも議会を通過していない。ロムニー氏側も4兆ドルの赤字削減をどう達成するのか詳細を示していない。 
得点:両者ともゼロ
<7160億ドルの高齢者医療保険>
ロムニー氏は、オバマ大統領の改革によってメディケア(高齢者向け医療保険)の給付が7160億ドル削られると批判。大統領は保険会社や医者に対する払い過ぎを止めることで、その分が節約できると応じた。ロムニー氏は鋭く切り返した。保険給付元や病院の中には、払い戻し比率が下がればメディケア制度を抜けるところが出てくるだろうと。
得点:ロムニー氏
<900億ドルをグリーンエネルギーに>
オバマ大統領はロムニー氏に対し、大手石油会社に対する28億ドルの優遇税制を廃止するかどうかを問いただした。ロムニー氏はそれは検討課題となり、税制簡素化のためにも税控除を削ると述べた。ロムニー氏はまた、大統領が2009年の景気刺激策でグリーンエネルギーに900億ドルの援助を与えたと指摘する中で、破綻した太陽電池のソリンドラと電気自動車メーカーのテスラ(TSLA.O: 株価企業情報レポート)を同列に論じてしまった。この発言はシリコンバレーにおけるロムニー氏の信頼性に傷を付けた。この金額はまた、融資保証と支出を一緒にしている。その上約3分の1は厳密に言えばグリーンエネルギー向けではなく、電力網の近代化などに充てられた。
得点:両者とも1点ずつ
<70万人の雇用>
ロムニー氏は、大統領の医療制度改革により70万人の雇用が失われると攻撃した。数字の出典は超党派の議会予算局(CBO)がまとめた調査報告で、報告は大統領の法律により雇用が0.5%削減されるとしている。大統領の医療制度改革には利点もあるが、雇用への影響を指摘しているのは信頼できる組織だ。
得点:ロムニー氏
この討論会に関連する最も重要な数字は、その後実施された世論調査結果だろう。得点はロムニー氏がやや優勢と出た。4日公表されたロイター/イプソス世論調査結果によると、討論会後にロムニー氏は51%の有権者から好感を持たれている。討論会で示された一連の数字が、世論調査の数字に影響を与えた可能性は十分ある。しかし投票までには33日が残されており、最終的な集計結果がロムニー氏に有利に出るかどうかはまだ分からない。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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